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RSIの真ん中の線で判断!仮想通貨LINKの売買作戦

この作戦では、「RSI」という、市場の人気度をはかるメーターを使います。特に、RSIの数字が真ん中の「50」を越えるタイミングを、売り買いの合図にします。LINKという仮想通貨で、この作戦がうまくいくか試してみました。

取引数
603
勝率
24.21%
最終リターン
-80.46%
最大DD
88.17%

導入と前提条件

この作戦では、「RSI」という、市場の人気度をはかるメーターを使います。特に、RSIの数字が真ん中の「50」を越えるタイミングを、売り買いの合図にします。LINKという仮想通貨で、この作戦がうまくいくか試してみました。

【検証】戦略のバックテスト概要

  • 戦略名: RSI Centerline を使用したトレンド追従戦略
  • 対象銘柄: LINK/USDT
  • 時間足: 1h
  • 期間: 2024-06-03〜2025-08-25(447日間)
  • 初期資金: $10,000
  • 手数料・スリッページ: 0.1% / 0.1%
  • 取引所: okx

RSI Centerline の理論的背景

RSIは、ある商品の「買われすぎ」や「売られすぎ」といった人気度を数字で教えてくれるメーターです。普通は、70より大きいと「人気すぎて危ないかも」、30より小さいと「売られすぎて、そろそろ上がるかも」と考えます。でもこの作戦では、真ん中の「50」に注目します。50より上なら「値上がりする勢いが強まってきた!」、50より下なら「値下がりする勢いが強まってきた!」と考えて、その流れに乗ろうとする作戦です。

具体的な売買ルール(今回の検証)

エントリー条件

  • RSIメーターが50の線を下から上に越えたとき(買いの合図)
  • RSIメーターが50の線を上から下に越えたとき(売りの合図)

エグジット条件

  • 買っているときに、反対の「売りの合図」が出たとき
  • 売っているときに、反対の「買いの合図」が出たとき

リスク管理

大きな損をしないためのルールも決めておきます。もし予想と反対に値段が動いてしまったら、あらかじめ決めておいた金額の損が出た時点で取引をやめます。これを「損切り」と言います。こうすることで、大失敗を防ぎます。

再現手順(HowTo)

  1. Python/依存(ccxt, pandas, ta)をインストール
  2. ccxtでLINK/USDTのOHLCVを取得して前処理
  3. 『RSI Centerline』に必要な指標を算出(ta 等)
  4. 閾値・クロス条件から売買シグナルを生成
  5. 手数料・スリッページを加味して検証・評価

【結果】パフォーマンス

価格の推移

価格推移

資産の推移

資産推移

パフォーマンス指標

指標
総トレード数603回
勝率24.21%
平均利益3.62%
平均損失-1.44%
期待値-0.22%
プロフィットファクター0.7
最大ドローダウン88.17%
最終リターン-80.46%
シャープレシオ-0.27
HODL(Buy&Hold)42.83%

HODL戦略との比較

HODL戦略との比較

実装コード(Python)

strategy.py
"""
RSI Centerline Signal
RSIの50ラインクロスで判定するのだ。
"""
import pandas as pd


def _rsi(close: pd.Series, period: int = 14) -> pd.Series:
    delta = close.diff()
    gain = delta.where(delta > 0, 0.0)
    loss = -delta.where(delta < 0, 0.0)
    avg_gain = gain.rolling(period).mean()
    avg_loss = loss.rolling(period).mean()
    rs = avg_gain / avg_loss
    return 100 - (100 / (1 + rs))


def calculate_rsi_centerline_signals(df: pd.DataFrame, period: int = 14) -> pd.DataFrame:
    out = df.copy()
    out['rsi'] = _rsi(out['close'], period)
    prev = out['rsi'].shift(1)
    out['is_buy'] = (out['rsi'] > 50) & (prev <= 50)
    out['is_sell'] = (out['rsi'] < 50) & (prev >= 50)
    return out

なぜこの結果になったのか(3つの理由)

  1. 1この作戦で勝てた割合(勝率)は24.21%と、ちょっと低めでした。RSIが50の線を越えても、すぐにまた戻ってしまうことが多かったようです。
  2. 2もうけが出た取引と損した取引を比べても、全体としては損の方が大きくなってしまいました。
  3. 3最終的に、もとのお金が80.46%も減ってしまいました。一番ひどいときには、持っていたお金の88.17%も失ってしまったことから、この作戦だけで安定してもうけるのは難しいことがわかります。

この結果から学べる3つの教訓

  1. 1RSIが50の線を越えるのは、流れが変わる合図のひとつですが、それだけを信じるのは危ないかもしれません。
  2. 2勝つ回数が少なくても、一回で大きく勝てれば全体でプラスになることもあります。でも、この作戦ではそれも難しかったようです。
  3. 3過去のデータで試してみて成績が悪かった作戦は、そのまま使わずに、もっと良くする方法を考えることが大切です。

リスク管理の具体的手法

取引量の決め方

1回の取引で使うお金は、持っているお金のほんの一部(例えば100分の1)に決めます。そうすれば、もし負けてもダメージが少なくてすみます。

損失が大きくなったときの対処法

もし損が続いて、持っているお金が大きく減ってしまったら(例えば10分の1)、一度取引をお休みして、作戦を見直すのが大事です。

資金管理の方法

持っているお金のすべてを一度に使わないようにしましょう。余裕を持つことが、落ち着いて取引をするためのコツです。

改良案の具体的提案

  • 他の分析ツール(例えば「移動平均線」など)と組み合わせて、本当に今が売り買いのチャンスなのか、ダブルチェックする方法があります。
  • RSIの設定(どのくらいの期間のデータを見るか)を変えてみると、もっとうまくいく設定が見つかるかもしれません。
  • 市場の状況(値上がりが続いているときか、上がったり下がったりしているときか)によって、この作戦を使うかどうかを決めるルールを追加するのも良い方法です。

実用性の向上(運用上の注意)

  • この作戦だけで取引するのは、あまりおすすめできません。他の分析方法と組み合わせて使うのが良いでしょう。
  • まずは、なくなっても困らないくらいの少額で試してみるのが安全です。作戦に慣れてから、少しずつ金額を増やしていきましょう。
  • 取引の記録をつけて、「なぜ勝てたのか」「なぜ負けたのか」を振り返ることが、上手になるための近道です。

検証の透明性と信頼性

  • データの出所: 仮想通貨「LINK/USDT」の1時間ごとの値動きのデータを使いました。
  • 検証のやり方: 過去のデータ(2024年6月3日~2025年8月25日)を使って、「もしこの作戦で取引していたらどうなっていたか?」を計算しました。
  • コード: この計算に使ったプログラム(コード)は、誰でも見られるように公開されています。
  • 注意事項: このテスト結果は、あくまで過去のものです。未来も同じようにうまくいくとは限りません。投資は、ご自身の判断と責任で行ってくださいね。これは、投資の助言ではありません。

よくある質問

Q.RSIって何ですか?

A.「今、どれくらい人気があるか(買われているか)」の勢いを0から100の数字で表すメーターのようなものです。数字が大きいほど人気で、小さいほど不人気ということです。

Q.50ラインクロスってどういう意味?

A.RSIメーターの真ん中の線である「50」を、下から上に抜けたら「これから上がりそう!(買いの合図)」、上から下に抜けたら「これから下がりそう!(売りの合図)」と考えることです。

Q.勝率が低いけど、大丈夫なんですか?

A.勝つ回数が少なくても、1回勝ったときの利益がとても大きければ、全体ではプラスになることもあります。でも、今回の作戦では、利益もあまり大きくなかったので、うまくいきませんでした。

Q.HODLって何ですか?

A.英語の「HOLD(持つ)」から来た言葉で、仮想通貨を売らずにずっと持っておくことです。今回のテストでは、この作戦を使うより、ただ持っていただけの方が成績が良かった(+42.83%)ということになります。

Q.この戦略は、使わない方がいいですか?

A.はい、このままの形では、使うのはおすすめできません。でも、今回の失敗をヒントに、他の方法と組み合わせたり、設定を変えたりすれば、もっとうまくいく作戦に生まれ変わる可能性はありますよ。

Q.検証に使用した期間と時間足は?

A.1h足で検証しました。期間は記事内の概要をご確認ください。

Q.最終リターンと最大ドローダウンは?

A.最終リターンは-80.46%、最大DDは88.17%です。

Q.勝率やPFはどの程度?

A.勝率は24.21%、プロフィットファクターは0.70です。

Q.HODLとの比較結果は?

A.HODLは42.83%でした。記事内の比較表をご覧ください。

Q.手数料やスリッページは考慮済み?

A.はい。バックテスト設定の手数料・スリッページを損益に反映しています。

Q.市場環境はトレンド/レンジどちらに近かった?

A.期間中はトレンド優勢と推測されます。

Q.この戦略は初心者でも扱える?

A.基礎的な指標と検証環境の知識があれば扱えます。まずは少額・デモから。

Q.推奨のリスク管理は?

A.最大DDを踏まえた損切り・ポジションサイジングと、システム停止基準の設定を推奨します。

Q.将来の結果は期待できる?

A.過去の結果は将来を保証しません。市場環境やパラメータ適合性に大きく依存します。

Q.改良の方向性は?

A.トレンド・ボラティリティのフィルター併用、パラメータの再最適化、取引頻度の制御を検討してください。

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